日本証券業協会の倫理コード、IOSCOの行為規範原則

日本証券業協会の倫理コード(9項目)


1.社会規範及び法令等の遵守

法令や規則を遵守し、法令や規則等が定めていない部分は一般的な社会的規範から判断できる社会常識と倫理感覚を保持、実行すること


2.利益相反の適切な管理

利益相反(お客さんと証券会社の利害が反する時のことです。例えば、証券会社もっている株式を店頭取引でお客さんに売却する時は証券会社は高く売りたいと思いますが、それはお客さんにとっては損になります。そんな関係になる時のことです)を適切に管理し、職務上知りえた情報を使って不正な利益を得ないこと


3.守秘義務の遵守と情報の管理

情報開示が認められる情報を除き、業務上知りえた情報を機密として保護すること


4.社会秩序の維持と社会的貢献の実践

良き企業市民として社会秩序の安定と維持に貢献する。反社会的勢力や団体に毅然とした態度で対応し、これらと取引をしない


5.顧客利益を重視した行動

顧客の知識、経験、財産、目的などに照らして、顧客にとって最善となる利益を考慮して行動する


6.顧客の立場に立った誠実かつ公正な業務の執行

顧客のニーズや利益を重視して、顧客の立場に立って、誠実かつ公正に業務を行う。特定の顧客を有利に扱うことをしない。また、自己責任原則の確立に努める


7.顧客に対する助言行為

中立的立場から事実と見解を明確に区別して助言する


8.資本市場における行為

法令や規則に定めがないものでも、社会通念に照らして疑義を生じる可能性のある行為については自社の倫理コードに照らして是非を判断する


9.社会的使命の自覚と資本市場の健全性及び信頼性の維持、向上

資本市場に関する公正性及び健全性を正しく理解し、資本市場の健全な発展を妨げる行為をしない。資本市場の健全性維持を通じて果たすべき社会的使命を自覚して行動する


IOSCOの行為規範原則(7項目)


1.誠実・公正

顧客の最大の利益及び市場の健全性を図るべく、誠実かつ公正に行動しなければならない。


2.注意義務

顧客の最大の利益及び市場の健全性を図るべく、相当の技術、配慮及び注意を持って行動しなければならない。


3.能力

その業務の適切な遂行のために必要な人材を雇用し、手続きを整備しなければならない。


4.顧客に関する情報

サービスの提供に当たっては、顧客の資産状況、投資経験及び投資目的を把握するように努めなければならない。


5.顧客に対する情報開示

顧客との取引に当たっては、当該取引に関する具体的な情報を十分に開示しなければならない。


6.利益相反

利益相反を回避すべく努力しなければならない。利益相反を回避できない恐れがある場合においても、全ての顧客の公平な取り扱いを確保しなければならない。


7.遵守

顧客の最大の利益及び市場の健全性を図るため、その業務に適用される全ての規則を遵守しなければならない。